【競馬コラム】大歓声の止んだ日 #01

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こんにちは。

今回から新しく競馬コラムなどを書いてみようと思い、こうして記事を作成しています。こちらはいつものような画像、表などは見られず、ほとんど文章のみとなってしまい読み辛いことが予想されます。それでも良い、という方は最後までお付き合いくださると幸いです。

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マイルの女王がターフを去った。

引退レースでGⅠ6勝目を飾ったその馬の名はグランアレグリア、馬名には「大歓声」の意味が込められ、実際に日本中の競馬ファンを熱狂させ続けた。代名詞とも言える驚異的な末脚は他馬を置き去りにし、先日のマイルCSでも上り32.7秒という圧巻の競馬で締めくくった。

   

競馬といえば多くのゲームが存在し、始まりはオグリキャップの人気から火が付いた第二次競馬ブームの頃。競走生活だけでなく引退後までスポットが当たり「ダービースタリオン」が大ヒットした。ゲーム機を通して、競馬が一気に日常的なものとして浸透していったのだ。

その後、家庭用ゲーム機からゲームセンターにも進出し人気は拡大。現在では通称ダビスタと対の人気を成す「ウイニングポストシリーズ」や、巨大な液晶で臨場感たっぷりの育成を楽しめるメダルゲーム「スターホースシリーズ」など、多くの競馬ゲームがファンに親しまれている。

   

さて、話を戻すとグランアレグリアを語るに欠かせないレースが1つあるのだが、ファンの皆さんはお分かりだろうか。雑な振りで申し訳ないが、当然流れとして「ゲームのような」競馬になる。

そう、答えは2020年スプリンターズS。

マイルの女王なのに1,200mのスプリンターズSをチョイスするとはどうなのか、と考える方もいるかも知れない。しかしレースを振り返ってみればご理解いただけるはず、というのが以下の内容である。

   

戻して再確認された方も少なくないだろう。それほどに異次元の末脚、文字通り「他の馬が止まって見える」競馬だった。1頭だけ脚色が違うレースは珍しくないが、1頭だけ時間の流れが違うレースはそう多くない。この鋭すぎる末脚に、彼女の全てが詰まっているのだ。

   

近代の日本競馬はかつてのような牡馬優勢の時代ではなく、牝馬が台頭する時代へと変わっている。

年度代表馬を見て分かるように、近10年は牡馬5頭に牝馬5頭、この3年は牝馬が連続でその名誉にを手にしている。2000年以降の受賞馬を見てもウオッカ、ブエナビスタ、ジェンティルドンナ、リスグラシュー、アーモンドアイと、枚挙に暇が無い。

そして先日引退したグランアレグリアもGⅠ6勝と名馬の域で、有馬記念で引退を表明しているクロノジェネシスに至っては昨年から宝塚記念、有馬記念、今年の宝塚記念とグランプリを3連覇。年末に史上初の4連覇で引退を飾るか大きな注目を集めている。

   

近代の名牝の中に混ざっても遜色ない結果を残した彼女は、これから未来の名馬を生み出していく。そして成長した子がターフを駆ける時、私たちはその背中に彼女を思い出すだろう。

こうして受け継がれ巡っていくドラマこそが、競馬の何よりの醍醐味であると私は信じている。

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