【展望】2021 06/16 関東オークス(JpnⅡ)史上2頭目の牝馬三冠は成るか #14

地方レース

こんにちは。

今回は、南関競馬の牝馬三冠最終戦「関東オークス」についての展望記事です。

中央馬が参戦することもあり、過去に三冠を達成した馬はわずか1頭とその難しさは折り紙付き。

そんな南関牝馬三冠の歴史や解説、予想をお届けします。

◆南関競馬における三冠競走とは


まずは、三冠競走の歴史から触れていきます。

・南関三冠の成り立ち


南関競馬における三冠競走は、牝馬は二冠目となる「東京プリンセス賞(SⅡ)」が1987年に創設されたことで成立。牡馬に関しては対象競争が度々変化しており、2002年に現在の形へと落ち着きました。

牝馬三冠

 

桜花賞(SⅠ) 浦和 1,600m 地方馬のみ 1着賞金:2,000万

東京プリンセス賞(SⅠ) 大井 1,800m 地方馬のみ 1着賞金:2,000万

関東オークス(JpnⅡ) 川崎 2,100m 中央交流戦 1着賞金:3,200万

牡馬三冠

 

羽田盃(SⅠ) 大井 1,800m 地方馬のみ 1着賞金:3,500万

東京ダービー(SⅠ) 大井 2,000m 地方馬のみ 1着賞金:5,000万

ジャパンダートダービー(JpnⅠ) 大井 2,000m 中央交流戦 1着賞金:6,000万

牡馬、牝馬共に共通しているのが三冠目は中央馬との交流戦になること。関東オークスの場合は賞金が高いこともあり、有力な中央牝馬が参戦することで三冠達成が非常に困難となっています。

牡馬三冠はジャパンダートダービーが三冠目に指定されており、全国のダービー馬に加え中央の強豪も相手取る必要があるのでこちらも苦戦必至。

ですが初の大井競馬場、加えてナイターとあってかコースに戸惑う中央馬も少なくなくありません。

こうした理由から地の利を生かした地元馬の活躍も見られ、近年では2017年のヒガシウィルウィンがクビ差の激戦を制し優勝を飾っています。

・過去の三冠達成馬


これまでの歴史で三冠を達成した馬ですが、牝馬では2006年のチャームアスリープしかいません。

しかし、このチャームアスリープは競走生活で通算5勝に留まっており、その内の3勝が三冠レースになります。競走馬としてのピークがこの時期に重なったことに加え、クビ差の激戦を制した内容など全てが噛み合った結果の三冠だったと言えるでしょう。

牡馬に関しては2001年までの旧三冠体制で7頭が三冠を達成していますが、2002年以降の新三冠体制になってからは三冠馬が出ていません。

近年三冠馬というワードがよく聞かれますが、実際は一握りの名馬だけが得られる栄光なのだと改めて感じます。

◆2021 関東オークスについて

ピンクの花


次に、コースと出走馬について説明します。

・コース概要


コースは先述したように、川崎競馬場で行われる2,100m戦です。

特徴はコーナーを6度回らないといけない仕様と、そのコーナーが非常にタイトであることが挙げられます。コーナーが400mしかなく、外目を追走する馬は遠心力に振られ外に膨れがちになるのです。

ならば最内でロスなく回ろうと考えますが、それを読んだ他の騎手に勝負所で蓋をされ最後の勝負で後手を踏むこともしばしば。優勝への鍵は、距離ロスを抑えつつ相手との駆け引きを制することにあると考えられます。

・出走馬紹介


今回の関東オークス出走馬は以下になります。

馬番馬名所属騎手
1ランスオブアースJRA泉谷 楓真
2レディブラウン川崎伊藤 裕人
3ネイバーアイランド金沢魚住 謙心
4グロリオーソ大井矢野 貴之
5リフレイムJRA木幡 巧也
6ウェルドーンJRA武  豊
7ケラススヴィア浦和森 泰斗
8ディアリッキー船橋本田 正重
9ベルヴォーグJRA幸 英明
10スセリヒメ川崎藤本 現暉
11ウワサノシブコ大井和田 譲治
12サンシェリダン高知笹川 翼

注目はやはり三冠のかかるケラススヴィア。戦績も7戦6勝2着1回と頭一つ抜けています。唯一土を付けられたウワサノシブコに対しても東京プリンセス賞で完勝しており、敵は中央馬のみといった様子。史上2頭目の牝馬三冠に期待がかかります。

相手の筆頭は中央から参戦のウェルドーン。前走は鳳雛Sで完勝しており、勢いそのままに戴冠を狙います。エスコートするのは武豊騎手で、実績に裏付けされた経験が光るのか注目です。

他にも、芝からダートに移ったリフレイムや、兵庫の交流重賞で3着に入ったランスオブアースなど中央から強豪馬が参戦しています。

◆過去のデータ


過去10年の関東オークス結果から、今年の予想をしてみましょう。

・人気別・所属別の着順

1着2着3着着外勝率複勝率
1番人気3214.300.600
2番人気4132.400.800
3番人気1135.100.500
4番人気以下26394.019.105

まず人気別で確認すると、上位人気が安定していることが分かります。

これが中央馬と地方馬の差なのか、もしくはただ荒れにくいだけなのかは以下をご覧ください。

1着2着3着着外
JRA96421
船橋12120
川崎01021
大井00315
浦和0022
その他01026

このように、近10年で見ると中央馬が圧倒的に成績を残しています。牝馬二冠まで漕ぎつけても三冠に遠い理由がこちらになり、中央のレベルの高さが際立つ結果となっています。

・二冠目までの着順


中央馬が強いことは分かったので、地方馬のここまでをおさらいします。

桜花賞 成績

競走馬脚質騎手タイム着差人気
1着ケラススヴィア逃げ森泰斗1:42:11
2着グロリオーソ先行矢野 貴之1:42:732
3着レディブラウン先行伊藤 裕人1:43:338

東京プリンセス賞

競走馬脚質騎手タイム着差人気
1着ケラススヴィア逃げ森 泰斗1:54:21
2着ディアリッキー先行本田 正重1:55:672
3着ティーズアレディー先行達城 龍次1:55:91 3/47

ケラススヴィア以下は入れ替わりとなっており、混戦模様なのが分かります。また、着差を見ても1頭だけ抜けていることが明らか。

しかし競ったレース経験が少なく、中央馬と僅差のレースになった場合に勝負根性が発揮されるのか未知数な部分があります。

◆予想


ここまでの内容と、個人的な観点から決めた私の予想は以下の通りです。

◎ ケラススヴィア
○ ウェルドーン
▲ リフレイム
△ ランスオブアース
☆ ウワサノシブコ

ケラススヴィアの三冠達成と見ています。川崎競馬場の適正もローレル賞で証明済みですし、中央勢にハナを主張しそうな馬がいないことから、先頭でそのままと考えます。

地方馬の中ではウワサノシブコにチャンスがありそう。一度はケラススヴィアに土を付けた実績と、前走で川崎2,000mを完勝してきた臨戦過程から激走があってもいいはず。

中央馬は能力的にもウェルドーンが一番手ですが、リフレイムがダート2走目でどう出るか不透明な部分があり、そこだけが懸念材料です。

◆まとめ


いかがだったでしょうか。

なるべく知らない方にも分かりやすい形にしてみました。物足りないと思った方には申し訳ないのですが、少しでも予想の足しになっていれば幸いです。

相手関係的にも今年は三冠の大チャンスと見ているので、ケラススヴィアには是非とも三冠からのジャパンダートダービーを目指してほしいと思います。

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