こんにちは。
お久しぶりの【実装考察】第六弾です。お待たせしています。
今回は「タイテエム」。元旦からTwitterアカウントを開設したメイタイファームさん(https://twitter.com/meitaifarm)からウマ娘へのラブコールがあり、話題となっている競走馬ですね。
一体どんな競走馬だったのか、見ていきましょう。
―――――白を黒に染めた先に見えたのは、焦がれてやまなかった春の頂。
◆ 競走成績(1971/10~1973/06)
タイテエム | |
生年月日 | 1969年4月14日 |
両親 | 父:セントクレスピン 母:テーシルダ |
性齢 | 牡 25歳没 |
デビュー | 1971年10月17日 |
引退レース | 1973年06月03日 宝塚記念 |
競走成績 | 16戦8勝 |
獲得賞金 | 約1億2,650万 |
GⅠ実績 | 1973年:天皇賞 |
◆ 両親
両親共にイギリス産の競走馬です。
父のセントクレスピンは1959年の凱旋門賞やエクリプスSを制した実力馬。種牡馬となっても活躍馬を輩出し、日本では天皇賞春などを制したエリモジョージにこれから紹介するタイテエム、高松宮杯を制したヤマニンゴローなどがいます。
母のテーシルダは2着1回に2度の着外の3戦で競走生活を引退。繁殖牝馬として日本で活躍した馬はタイテエムが唯一の重賞馬となり、他は障害OPを勝利するトウフクサカエが代表産駒になります。因みに両馬とも父はセントクレスピンとなっています。
◆ 3歳シーズン
デビューは京都の芝1,200m。17頭が揃う中で1番人気に推されますが、後に福永洋一騎手を背に阪神3歳Sを制するヒデハヤテが7馬身差の大楽勝を収める影で8着と敗北。しかし翌月に同条件で2戦目に臨むと、2番人気ながら半馬身差で優勝、見事初勝利を挙げます。
3戦目は尾花特別(200万下)へ出走し再び1番人気を獲得するも、優勝を争った2頭に3馬身離されての3着。結局3歳シーズンは3戦1勝と甘さを見せた形で終え、翌年に向かいます。
◆ 4歳シーズン
尾花特別以降は鍼治療に加え春までじっくり乗り込み、4戦目は3月のさわらび賞(200万下)へ。久々のレースながら1番人気の支持を受けると、なんとびっくり6馬身差の快勝。次走の山吹賞(500万下)も1番人気に応え3馬身差で完勝と、素質が開花します。
その後に関西から関東へ進出し、迎えた6戦目はクラシック前哨戦スプリングS。抜けた1番人気には新馬戦で敗れたヒデハヤテ(その年の最優秀3歳牡馬)がおり、それを避けてか5頭しかいない中タイテエムは2番人気に支持されます。
しかし、レースでは最後の直線で内から抜け出しを図るヒデハヤテを外から捕まえに行くと、ゴール前で見事に差し切り優勝。皐月賞の本命候補へ躍り出ます。
そしてクラシック一冠目の皐月賞。デビュー5連勝で乗り込んできたロングエースに1番人気は譲りますが、それでも2番人気に推されます。3番人気には皐月賞までになんと13戦を走り、ここ2戦はロングエースの2着とリベンジに燃えるランドプリンスが入り、3強体制で発走へ。
レースでは先頭集団に付け、4番手辺りの追走から4コーナーでロングエースと併せる形で抜け出しを図ります。しかし勝負所で手応えが悪くなり、内から鋭く抜け出したランドプリンスに離されると併せていたロングエースにも遅れを取り、最終的に7着と敗れてしまいました。(優勝はランドプリンス)
そして1番人気で3着に敗れたNHK杯を挟み日本ダービーへ。ここでは3番人気と評価を下げますが、全体的に割れた人気となっており、上位には皐月賞と同じくロングエースにランドプリンス。混戦が予想される中ゲートが開きます。
27頭が出走する進路取りも大変なレースの中、最後の直線で抜け出してきたのはやはり3強。内からロングエース、外からランドプリンス、真ん中にタイテエムの形となり残り200mの叩き合いも、最後は内からロングエースが抜け優勝。タイテエムは競り負け3着とし、リベンジは果たせませんでした。
約3か月の休みを経て秋に入ると神戸新聞杯、京都新聞杯と連勝。内容も春に敗れたロングエースにランドプリンスをそれぞれ破るなど上々の内容。次走に選んだ最後の一冠である菊花賞ではついに1番人気と、ファンからの大きな期待を背負います。
そしてレースは淀の坂を下った最後の直線、先頭集団で争っていたタイテエムは馬場の真ん中辺りから外へ進路を取り先頭へ躍り出ます。ここでついに悲願の戴冠かと思われましたが、そこへ更に大外からイシノヒカルの強襲。抵抗するも盛り返せず、最後は振り切られる形で2着に敗れます。
こうして、クラシックを皐月賞7着、日本ダービー3着、菊花賞2着とあと一歩届かない惜敗で終え、次走は年が明けてすぐの金杯へと定めていきます。
◆ 5歳シーズン
菊花賞から十分の休養を経て出走した年明けの金杯は、クラシックロード明け初戦もあり期待され堂々の1番人気での出走となりますが、ここでまさかの4着。
これにより次走のマイラーズCでは競走生活で唯一の5番人気と評価を落としますが、不良馬場をもろともせず後ろを突き放して5馬身差の圧勝。半年振りの勝利を挙げます。
そして迎えた大一番は春の天皇賞。当日は強い雨となっており、圧勝した前走と似たコンディションも一因となったか、再びGⅠ舞台で1番人気に推されます。2番人気にはAJCC、目黒記念と勝利を挙げてきたオンワードガイ、3番人気に昨年競ったランドプリンスが入り、勝負のゲートへ。
レースは雨も絡み前と後ろの出入りが激しい展開。1周目のスタンド前では4番手付近に付けていたタイテエムも、2週目の中盤では後方から2頭目まで位置を下げますがここから進出を開始。淀の坂を経ての最後の勝負へ挑みます。
最後の直線では白いメンコを泥に塗れさせながら大外を一気に駆け上がり、内で粘り込みを図るシンザンミサキを捕らえます。横では同じ形で外から伸びるカツタイコウがこれに食い下がりますが、最後は突き放して悲願のGⅠ制覇。無冠の貴公子に春が訪れます。(当時のゴール時の実況)
そして勢いそのままに臨んだ次走の宝塚記念、天皇賞の内容から抜けた1番人気に支持されますがレースではハマノパレードが単騎の大逃げ。タイテエムも最後の直線で並びかけますがここから最後の差を詰められず、結局クビ差の2着に敗れます。
また、このレース後の放馬トラブルで深刻な怪我を負ってしまい治療もむなしく翌秋に引退を発表。そこからの種牡馬生活では、GⅠ馬こそ出なかったものの複数の重賞馬を輩出。一定の結果を残しました。
◆ 実装済みのウマ娘との関連

現在実装されているウマ娘で最も昔の馬がマルゼンスキー(1974年生まれ)なので、1973年に引退をしたタイテエムと現役時代が被るウマ娘は存在しません。
しかしこれでは面白くないので、強引ではありますが話題を一つ用意します。
お題は「リーディングサイアー」
リーディングサイアーとは、1年の産駒の獲得賞金の合計額による種牡馬の順位で1位になった馬のこと。このランキングはサイアーランキングと呼ばれ、その時代ごとに種牡馬として優れていた馬や需要の高かった馬の指標となります。
そしてタイテエムが1度だけサイアーランキングのトップ10に食い込んだ年が1986年。この年のタイテエムは8位でしたが、他の馬もちょっと見てみましょう。
種牡馬名 | |
1位 | ノーザンテースト |
2位 | リイフォー |
3位 | アローエクスプレス |
4位 | トウショウボーイ |
5位 | マルゼンスキー |
6位 | ブレイヴエストローマン |
7位 | ヴァイスリーガル |
8位 | タイテエム |
9位 | ラッキーソブリン |
10位 | パーソロン |
こう見ると見覚えのある馬がチラホラいますね。リーディングサイアーのノーザンテーストは公式発表がないので言及しませんが、4位にゲーム内で話題が上がった「天馬」トウショウボーイ。5位にもお馴染みマルゼン姉さんがいます。
10位のパーソロンはもちろん皇帝シンボリルドルフの父で、母の父としてはメジロドーベルの血統にも名を連ねています。またゲーム内では実装されていませんが、シンデレラグレイのアキツテイオーのモデル馬ニッポーテイオーは2位のリイフォーを父に持ちます。
他にもゴールドシチーが7位のヴァイスリーガルを父に持つなど、血統の話をするとどこまでも繋がりそうな気になり、競馬がブラッドスポーツと呼ばれる理由を改めて実感しますね。
◆ 実装される場合の友好関係と目標レースを考察

ここからはゲームに登場した場合の立ち位置を考えましょう。
まず最古参になりますので、マルゼンスキーのような年上キャラになることは間違いないでしょう。マルゼンスキーが先輩と呼んでいるのを想像すると面白いですね。
現役時代に絡みのある馬がいないので、上記したような種牡馬としての関連からキャラ関係を模索すると、時代背景も重なりシンボリ、メジロ関連の馬と絡むことになりそう。
というのも、先述したパーソロンをシンボリ牧場とメジロ牧場が共同購入した経緯があり、そこから関係の枝を伸ばせそうと考えたからですね。そう考えていくとキャラクターもシンボリやメジロに共通するような特徴を持っていきそう。(家柄が良いとかそういう話)
両親がイギリスの生まれなので、その辺りを押した個性もありそうですね。
では最後に目標レースの予想など。こちらは完全に個人的なものなので、ここまで読んでくださった方もどうなるだろう、と考えてみると面白いかもしれません。
レース | 目標 |
デビュー戦 | なし |
ジュニア12月後半 | ファン3,000人 |
スプリングS | 3着以内 |
皐月賞 | 5着以内 |
日本ダービー | 5着以内 |
菊花賞 | 3着以内 |
天皇賞春 | 2着以内 |
宝塚記念 | 2着以内 |
有馬記念 | 1着 |
◆ まとめ
いかがだったでしょうか。読み物として楽しんでいただければ幸いです。
調べていくと中々資料映像が無かったりオッズの食い違いがあったりどの情報が正しいんだ…ってことが少なくありませんでした。1972年のクラシック年のレースなんて50年前ですよ…。
しかし当時のダービーは大変ですね。普通に20頭以上いたりして、昔は先行しないと話にならないと言われていた理由が良く分かります。後ろから行こうとしたら進路ないですよこれ。
四白流星(四肢の足先が全て白い)とかキャラクターデザインする時に特徴的になりそうなんですけどね。本当に実装される日が楽しみです。
それでは今回はここまでです。またお会いしましょう。