【安田記念 GⅠ】マイル王者グランアレグリア、その視界は良好か #07

JRAレース

こんにちは。

今週は、東京競馬場でGⅠ安田記念(1,600m)が行われます。

昨年自らが打ち砕いたVM→安田記念の連覇。刺客となる馬は果たして現れるのか。はたまた圧勝で終わるのか。注目馬3頭を取り上げます。

◆絶対王者としての矜持ーグランアレグリア

馬の銅像


馬群を切り裂く稲妻、そう表現しても差し支えない末脚を彼女は持ち合わせている。

輝かしいデビューから初めての挫折


新馬戦からその才能は光り輝いていた。前から3番手で進めながらメンバー最速の上りで完勝。負かした相手は後の阪神JFで優勝することになるダノンファンタジー、衝撃のデビューだった。

その後は勇猛果敢に朝日杯へ挑み牡馬に混ざりながら3着。春には桜花賞で巻き返して優勝と世代のトップを走るが、次走のNHKマイルCに落とし穴が待っていた。

ここまで2番手か3番手でレースを進めてきたグランアレグリアがポジションを取れない。ゲートでやや遅れた上に内枠の各馬が勢いよく逃げ、ルメール騎手が慌てて巻き返していく。

何とか先頭各馬の後ろにつけるも、その後は外から上がる馬に蓋をされる形で最後の直線へ。内も外も進路が取れず、やむなく外の馬にタックルを強行すると、ようやく前を追い始める。

しかし詰めたところでその脚が止まってしまう。最後は差が開いたまま4着となり、進路取りを強行したペナルティーが課されると最終結果は5着。あまりに苦いレースとなった。

しかし、ここから7ヶ月強の時間を経て、才能はこれまでにない最大の光を放つ。

新たな可能性の果て


一年が終わろうとしている師走の阪神競馬場に彼女はいた。世間が有馬記念に色めく中、復帰初戦として阪神カップを選択。敗北は許されない。

レースでは1番人気に推され単勝2.1倍。期待の声が強い中始まったレースだったが、彼女が見せたのはなんと中団待機策。長い休みの中で見つけた、新たな可能性だった。

終盤の勝負所で内をスルスル上がっていくと、持ったまま先頭へ躍り出る。後ろの馬が必死に追うのを意にも介さずそのまま5馬身差の圧勝。新たな扉の開く音がした瞬間だった。

翌年は同タイムで決着した激戦の高松宮記念2着から始動すると、安田記念では名牝アーモンドアイを撃破。その勢いのままスプリンターズS、マイルCSと制しマイル春秋制覇、最優秀短距離馬の称号も手にし、先行して良し差して良しと圧巻の1年になった。

今年の大阪杯こそ馬場に泣いたが、VMでは格の違いを見せつけて文字通りの圧勝。そして東京1,600mという絶好の舞台で行われる安田記念、王者の視界に死角はない。

◆過去の栄光をもう一度―インディチャンプ

息を吐く馬


2019年度の最優秀短距離馬。マイル春秋制覇も経験するその走りは、果たして対抗となりえるか。

馬柱を見て分かるように、6歳となった今でも堅実な走りを見せ続けている。国内において掲示板を外したことは一度もなく、常に一線でしのぎを削る。

だがこの1年はとにかく勝ちきれない。グランアレグリアの台頭もあるが、そうでないレースでも僅差での敗北が続いている。今回も厳しいのだろうか。

しかしこれを否定するデータがある。インディチャンプの成績は(8.2.5.4)なのだが、この内のなんと7勝が1,600m戦での勝利。間違いなく適正はここにある。

この1年を見ても1,600mで負けたのはグランアレグリアとアーモンドアイのみ。鋭くキレる脚は健在で、自分の形を作れれば勝機は十分に見えており、後ろ向きになる必要はない。

加えて相手は間隔を詰めての連戦。去年のアーモンドアイと同じ道を辿るのならば、その結末も同じものになるか。万全の準備を経て、復権の牙は静かに刺さる時を待っている。

◆勝負の舞台で価値を示せるか―サリオス

逆光の馬


無敗の三冠馬コントレイルとダービーまで戦い、本格的に中距離へと舵を切ったサリオス。現在のライバルの様子に一体なにを思うのか。

しかしサリオスも順風満帆には程遠い。初の古馬混合戦となった毎日王冠こそ勝利したが、そこから連続での5着。結果がついてこない。

それでも不幸中の幸いか、敗因はハッキリしている。MCSは後方待機からの大外一気を試みた結果届かず、大阪杯は馬場適正に苦しんだ。

だが直線が広く長い東京競馬場であれば、焦って外に持ち出す必要もなく持ち味の長く使える脚も活きる。選択肢は広がるはずだ。

加えてサリオスの適正は恐らく1,600m~2,000mにある。勝利してきたレースでは伸び方が力強く、最後まで緩むことがないのだ。この舞台はマッチしている。

血統的にも父がハーツクライと晩成傾向のため、ベスト条件におけるパフォーマンスの向上にも期待ができる。好走の条件は整ったのではないだろうか。

逆にここで結果を残せなければ、サリオスの今後のローテーションが暗礁に乗り上げることにもなりかねない。強敵が揃った一戦だが、その素質に期待したい。

◆まとめ


今回は書きたいように書いてしまったので読みにくいかも知れません。

グランアレグリアは果たして連覇なるでしょうか。

安田記念の予想をする一助になっていれば幸いです。

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