【回顧】2021年 日本ダービーを振り返る #03

JRAレース

こんにちは。

いやー面白かったですね! 日本ダービーはやはり格別なんだと改めて思いました。それに最後の熱い叩き合い! 優勝した福永騎手は本当におめでとうございます!

さて、今回はその日本ダービーを振り返っていこうと思います。レース展開から勝因、今後などを自分なりにまとめてみました。最後までどうぞお付き合いください!

レース内容

駆ける2頭の馬

序盤


全17頭が揃う綺麗なスタート。先頭争いが注目される中、事前に逃げることが予想されていたバスラットレオンが積極的にハナを叩いて先頭。そのすぐ後には皐月賞で逃げ粘ったタイトルホルダーが続く。

先行策と見られていた1番人気エフフォーリアはこの2頭を見る形の3番手に付けるが、2コーナーを過ぎて外から上がっていく馬の中にはなんとサトノレイナスが。差しから一転、エフフォーリアの前で勝負に出る。

中盤


向こう正面を進み中1.000m通過タイムは1.00.3。有利不利がない流れから3コーナーへさしかかると、馬群が徐々に凝縮するところでサトノレイナスが仕掛ける。

先頭のバスラットレオンへ併せにいき先頭付近へ進出。一方のエフフォーリアは中団インコースでじっと構え、勝負の時を待つ。

4コーナーを回って直線へ向くと先頭はまだバスラットレオン。サトノレイナスを始めとする各馬も鞭が入り、我先にと先頭争いが始まる。

しかし、ここで抜け出してきたのは1番人気エフフォーリア。じっと構えて馬群がばらけると、チャンスを逃さず一気に加速。皐月賞で見せた押し切りを再現するかのように先頭に躍り出た。

終盤


残り200mを切り先頭はエフフォーリア。外では前で進めたサトノレイナスが必死の鞭も脚色は鈍く、差は開いていく。

サトノレイナスと替わる勢いで飛んでくるグレートマジシャンも届きそうになく、22歳のダービージョッキーが誕生かと思われた。

だが、それを許さんと黒い疾風が怒涛の勢いで背後に迫る。シャフリヤールだ。ダービーの栄光を知る名ジョッキー福永祐一に導かれると、あっという間にエフフォーリアを捕らえる。

それでも必死に抵抗するエフフォーリアと横山武史、壮絶な叩き合いのまま2頭はもつれるようにゴール板を駆け抜け、決着は写真判定へ。

新星の誕生か、ベテランの意地か。

結果


勝利をしたのはシャフリヤール。首の上げ下げで勝敗が分かれる接戦をハナ差で制し、見事ダービー馬の栄光に輝いた。

惜しくも2着に敗れたエフフォーリアだが、堂々とした競馬で負けてなお強しの内容。この世代のトップクラスには変わりない見事な競馬だった。

そして3着争いも激戦。交わしたいグレートマジシャンに、粘り込みで3着は確保したいサトノレイナス。どちらが上がるかと思われたが、そこに飛び込んだのはなんとステラヴェローチェ。

2頭の間を割る形で最後の最後に飛び込んだ同馬が、-12kgの研ぎ澄ませた馬体で最後の表彰台をつかみ取った。

1着 シャフリヤール   4番人気 単勝11.7倍
2着 エフフォーリア   1番人気 単勝1.7倍
3着 ステラヴェローチェ 9番人気 単勝40.2倍

シャフリヤールの勝因とエフフォーリアの敗因

じゃれる3頭の馬

見事な激戦を繰り広げた2頭。勝負を分けたのは一体何だったのか。

様々な点から考えてみました。

騎乗ミスはない


まず最初に記しておきますが、今回の福永祐一騎手・横山武史騎手の騎乗にミスはなかったと思います。負けてしまった横山騎手も正面でばらけるまで我慢強く待ちましたし、前が開いてからの騎乗も例年ならあのまま優勝していたものと考えます。

22歳と若い騎手であれば気が動転してしまってもおかしくない中で、冷静にレースを運んだ内容は高く評価でき、今の横山騎手の最大のパフォーマンスだったと思います。

リオンリオンで一度ダービーを経験していたのが大きかったですね。

そして福永騎手ですが、こちらは壮絶でしたね。残り400m付近でアドマイヤハダルと接触して減速、そこからもう一度進路を探すも今度はワンダフルタウンと進路が被るなど、インタビューで語っていたように大変な流れだったと思います。

二人とも決して楽ではなかった状況でベストな騎乗を披露してくれました。特に横山騎手には、この経験を糧に大きな飛躍を期待したいですね。

展開はどうだったか


まず最初に、レースのラップタイムを見てみましょう。ラップタイムとは200m毎の通過タイムのことで、そのレースがどんな流れだったのかを確認できます。

12.2 – 10.6 – 12.2 – 13.0 – 12.3 – 12.4 – 12.8 – 11.7 – 11.4 – 11.5 – 10.8 – 11.6秒

最初にバスラットレオンがハナを取りに行った以降は落ち着いていますね。

12.8-11.7 秒の辺りから3コーナーになりますが、そこから一気に流れが慌ただしくなり、最後の400mからは差し脚の勝負になっていますね。前の馬には厳しい時計です。

実際に最後の上りが上位3頭とも33.4秒なので、後ろからの競馬が結果的に決まりやすかったと言えるのではないでしょうか。そうなると、もしもサトノレイナスがいつも通り控えていたならと少し考えてしまいますが…。

ですが大舞台で牡馬相手にこれだけ強気に乗ってこの結果ですから、サトノレイナスの素質は極めて高いと言わざるを得ません。鞍上のC・ルメール騎手のエスコートも勝負を賭けてのものでしたし、牝馬戦に戻ればやはり最右翼となるでしょう。

結論


ここまで考えても、明確な勝因敗因は分かりませんでした…申し訳ありません。

個人的には福永騎手の腕とシャフリヤールのポテンシャルが見事に噛み合った結果というのが、勝因として一番しっくり来ています。横山騎手も勿論素晴らしかったのですが、それ以上だったという印象です。

福永騎手に至っては近年の日本ダービー成績がすごいので、日本ダービーの経験値が結果に反映されていたとしても不思議はありません。

2018年 ワグネリアン  5番人気 12.5倍 1着
2020年 コントレイル  1番人気  1.4倍  1着
2021年 シャフリヤール 4番人気 11.7倍 1着
 

しかし上りが同じって本当なの? と疑問を抱くほどにシャフリヤールの最後の脚はとんでもないものに見えました。ディープインパクト産駒なので早熟の可能性が気がかりですが、今後どこまでやれるのか非常に楽しみです。

シャフリヤールとエフフォーリアの次走について

白馬のアップ


個人的な予想になりますが、両頭の今後のレースを考えてみます。

・シャフリヤールの今後


秋まで休養した後、セントライト記念から始動と見ます。

今回の勝利で距離実績は1.800m・2.400m。まだ底が見えていないので菊花賞を目指すのではと考えています。エフフォーリアの動きで中距離戦線に行くかもしれませんが、そこはまだ分かりません。

予想:セントライト記念(GⅡ-2.200m)→ 菊花賞(GⅠ-3.000m)
  → ジャパンカップ(GⅠ-2.400m)

・エフフォーリアの今後


同じく秋まで休養の後、菊花賞を目標に動くと見ます。

父エピファネイアは、昨年の菊花賞で死闘を演じたアリストテレスと同じであることから、長距離適性は高いと思います。その後は、疲れの抜け具合で選択が分かれそうです。

予想:神戸新聞杯(GⅡ-2.400m)→ 菊花賞(GⅠ-3.000m) 
   → 有馬記念(GⅠ-2.500m)

・まとめ


いかがでしたでしょうか? 人によっては物足りない、違和感を感じる部分があるかも知れませんが、その場合はコメントをいただけると勉強になります。


日本ダービーは全てのホースマンの夢の舞台であり、挑戦できるだけでも称えられるような場所です。そこまでの道のりも楽しいので、夏からの新馬戦で推しの競走馬を見つけてみてはいかがでしょうか。


このサイトを通して、競馬への理解が深まったりその魅力が少しでも伝わればとても嬉しく思います。

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