こんにちは。
ついに上半期の最後の GⅠ、宝塚記念が迫ってきました。これが終われば秋まで GⅠ はありません。
ここでは過去の傾向や実績などを見た上で、最終的な予想をしたいと思います。
それでは今回も、よろしくお願いいたします。
◆ 宝塚記念とは

まずは、宝塚記念とはどんなレースなのかを説明していきます。
・宝塚記念の歴史
宝塚記念の創設は1960年で、先に創設された有馬記念と対を成す競争として創設されました。出走馬は有馬記念と同様にファン投票が行われ、上半期を締める宝塚記念、その年を締める有馬記念として長年親しまれています。
距離は2,200mですが、創設時は1,800m、翌年に2,000m、そこから5年が経過して現在の距離に至ります。このことで短距離、短中距離の馬には向かないレースとなっており、ファン投票上位の馬でも回避傾向が強く、下位でも出走できるケースが多く見られます。
また、梅雨に重なることもあり良馬場開催が安定しない側面も持っています。稍重、重、不良となると適正によっては満足なパフォーマンスが難しい競走馬も多く、距離と天候による影響でベストメンバーが揃いにくいレースとしても有名です。
しかし、過去にはメジロ一族の3連覇(91,メジロライアン、92,パーマー、93,マックイーン)や、唯一の連覇を達成した「13,14,ゴールドシップ」(3連覇をかけた2015では15着)などドラマも多く、優勝馬には多くの名馬が名を連ねます。
・開催条件
それでは、改めて宝塚記念の開催条件をおさらいします。
宝塚記念(GⅠ) 阪神競馬場 2,200m 芝/右 1着賞金:1億5,000万
阪神競馬場で行われる2,200m戦ですね。スタートしてすぐに下り坂があることで、逃げ馬はそこで一気に加速する傾向が強いです。
また最後の直線が約350mと短いことから、最後の直線に賭ける競馬は届かないことが多いです。差すにしても、早目の仕掛けが必要になります。
◆ 出走馬・注目馬紹介

出走馬、注目馬の紹介を行います。出走馬は個人的に短評も添えてみます。
・出走馬
| 馬番 | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 騎手 | 短評 |
1枠 | 1 | ユニコーンライオン | 牡5 | 58.0 | 坂井 瑠星 | 逃げてどこ迄 |
2枠 | 2 | レイパパレ | 牝4 | 56.0 | 川田 将雅 | 勢い止まらず |
3枠 | 3 | メロディーレーン | 牝5 | 56.0 | 幸 英明 | 相手強化 |
4枠 | 4 5 | ワイプティアーズ アドマイヤアルバ | 牡6 騸6 | 58.0 58.0 | 和田 竜二 酒井 学 | 鞍上信頼 斤量苦しい |
5枠 | 6 7 | シロニイ クロノジェネシス | 牡7 牝5 | 58.0 56.0 | 松若 風馬 C.ルメール | 白馬の夢 連覇なるか |
6枠 | 8 9 | カデナ アリストテレス | 牡7 牡4 | 58.0 58.0 | 松山 弘平 武 豊 | 末脚に賭ける 虎視眈々 |
7枠 | 10 11 | カレンブーケドール モズベッロ | 牝5 牡5 | 56.0 58.0 | 戸崎 圭太 池添 謙一 | GⅠ悲願 重で一発 |
8枠 | 12 13 | ミスマンマミーア キセキ | 牝6 牡7 | 56.0 58.0 | 岩田 望来 福永 祐一 | 大駆け期待 4度目の正直 |
今年は13頭での開催です。目玉は当然クロノジェネシス・レイパパレですが、現役最軽量のメロディーレーン、白馬のシロニイ、惜敗続きのカレンブーケドール、4度目の出走キセキとバラエティーに富んだメンバーが集まりました。
・注目馬
続いて、有力視される競走馬を数頭ご紹介します。
・クロノジェネシス 5牝 (7.3.3.1)2020年 春秋グランプリ制覇
昨年の優勝馬です。史上最大着差となる6馬身差で圧勝し、暮れの有馬記念も制しました。春のドバイシーマクラシックでも差の無い2着と好走し、実績一番で充実期に入っています。
重馬場に対して特に強く、昨年のような雨の影響する馬場になれば連覇へグッと近づくこと間違いなし。鞍上も負傷の北村騎手に代わりC.ルメール騎手と態勢は万全、と言いたいのですがC.ルメール騎手は宝塚記念での優勝どころか3着もありません。優勝を知る同馬に導かれ初優勝となるでしょうか。
・レイパパレ 4牝 (6.0.0.0)2021年 大阪杯優勝
勢いのまま挑んだ大阪杯ではコントレイル、グランアレグリアと並居る強豪をまとめて撃破。未だ底を見せない無敗のGⅠ馬です。
逃げの競馬で強さを見せ続ける同馬は、前走で示したように重馬場も相性◎。馬場状態を問わない適正は宝塚記念で大きなアドバンテージとなり、更なる成長も期待されます。クロノジェネシスとの2強ムードが漂いますが、絶好調の川田騎手と共に7勝目となるでしょうか。
・カレンブーケドール 5牝 (2.7.3.3)GⅠで2着3回
恐らく現役で最強の2勝馬です。2着は7回、掲示板率(5着以内)は100%の安定した実績を持ち、今回も上位が予想されます。
前目で長く脚を伸ばす競馬は宝塚記念にフィットしており、展開1つで優勝もあると思います。気付けば5歳も折り返し、そろそろ勝っておきたいところ。
・キセキ 7牡 (4.5.5.14)2017年 菊花賞 2020年 宝塚記念2着
4年連続の宝塚記念出走で結果は8着→2着→2着、重馬場も得意なので今年こそは。色んなレースに顔を出しており、2018年、2020年は秋古馬3冠路線を皆勤賞。実績よりも競走馬としての姿勢を高く評価したい馬で、本当に頭が下がります。
前走の香港では4着と好走しており可能性は十分。2017年の菊花賞以来の「GⅠ」を目指します。
◆ 過去の傾向

次に、過去10年の結果から有利不利を探してみます。
・人気、脚質による成績
| 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 複勝率 |
1番人気 | 2 | 3 | 1 | 4 | .200 | .600 |
2番人気 | 2 | 1 | 1 | 6 | .200 | .400 |
3番人気 | 2 | 0 | 1 | 7 | .200 | .300 |
4~9番人気 | 4 | 4 | 4 | 48 | .066 | .200 |
10番人気以下 | 0 | 2 | 3 | 50 | .000 | .091 |
1番人気が複勝率60%と優秀です。しかし中位人気の馬もよく馬券に絡む傾向があり、特に6番人気は勝率20%、複勝率50%の詳細となっています。1番人気・6番人気・総流し馬券とかありかも…?
| 1着 | 2着 | 3着 |
逃げ | 3 | 2 | 2 |
先行 | 4 | 2 | 3 |
差し | 3 | 4 | 4 |
追込 | 0 | 2 | 1 |
最後方は苦しい結果となっています。阪神競馬場の特徴に加えメンバーが一線級ということもあり、前目が押し切る傾向があるようです。しかし、馬券が安定するのは差し馬です。
・枠順の優位性、血統
次に枠別成績を見てみましょう。
1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 複勝率 | |
1枠 | 1 | 1 | 3 | 11 | .063 | .313 |
2枠 | 1 | 1 | 2 | 12 | .063 | .250 |
3枠 | 0 | 1 | 1 | 14 | .000 | .125 |
4枠 | 0 | 3 | 0 | 13 | .000 | .188 |
5枠 | 0 | 2 | 0 | 16 | .000 | .111 |
6枠 | 0 | 0 | 1 | 18 | .000 | .100 |
7枠 | 0 | 2 | 1 | 18 | .000 | .143 |
8枠 | 7 | 0 | 2 | 13 | .318 | .409 |
圧倒的に8枠が良い成績を残しています。対象馬はミスマンマミーアにキセキ。しかし2016年のマリアライトを除いて前目の競馬での結果なので、末脚勝負のミスマンマミーアは厳しいかもしれません。
血統を見るとディープインパクト産駒は毎度好走しますが、馬場が重くなると不安が残ります。次にキングカメハメハ産駒が面白そうです。対象馬はシロニイ。他はハーツクライ産駒のアドマイヤアルバくらいでしょうか。
また、阪神適正としては3/3で勝利しているレイパパレが一番の実績です。
◆ 予想

以上の情報から今回の予想を行いたいのですが、天気が怪しいので良馬場想定と稍重想定の2つを出します。
良馬場想定
○ キセキ
▲ クロノジェネシス
△ アリストテレス
☆ カデナ
まず良馬場の場合ですが、前で競馬を進めるレイパパレを本命にします。ユニコーンライオンを見る形で進め、最後の直線付近で交わして押し切りと予想。対抗はこのレース実績十分のキセキ、枠の恩恵も考えての印です。
クロノジェネシスは3番手評価。初コンビの不安やルメール騎手の宝塚記念相性、帰国初戦など良馬場であれば他の馬に遅れをとる可能性があると見ました。後は前走で復活の兆しを見せたアリストテレス、穴に展開ハマればでカデナを選んでいます。
稍重馬場想定
○ レイパパレ
▲ キセキ
△ カレンブーケドール
☆ モズベッロ
次に稍重の場合ですが、本命の印はクロノジェネシス。昨年の結果を見ても実力は明らかで、他の懸念を差し引いても問題はないと判断しました。対抗はレイパパレで、馬場が渋れば2強状態と見ますが相手が悪いとしか言えません。
3番手評価にはキセキ。過去2年の宝塚記念を見ても馬場状態を問わず安定しており、稍重でも上位予想。カレンブーケドールは同型強力も相手なりに走るタイプで馬券内も視野、穴には馬場が渋れば激走のモズベッロを選びました。
◆ まとめ
いかがだったでしょうか。長い記事を読んでいただきありがとうございます。
いつもなら穴馬を馬券の中に置いて馬券妙味も考えるのですが、今回はちょっと実力差が大きく堅い予想となってしまいました。強いてマイナス要素を挙げておくなら、馬体重が軽い馬は来ない傾向が強いのでレイパパレ大丈夫か? くらいです。
上半期最後の「GⅠ」なので、どんな結果にしても楽しみたいですね。
コメント
コメントありがとうございます。
先に創設されたのは有馬記念なのですが、これは人名から取られたレース名になります。
当時、創設された有馬記念(旧中山グランプリ)が大盛況だったことに伴い、有馬記念(中山競馬場は千葉県)と対になる東西レースを作ろうということで、西に位置する阪神競馬場で、同様のファン投票を用いる宝塚記念が創設された経緯になります。
ですので、宝塚記念は阪神競馬場の住所もありその名前ですが、有馬記念は地名ではなく人名から取られているんですよ。
ふと疑問に思ったのですが、有馬記念と対を成す形で宝塚記念、とありますが、競馬とは何か兵庫県にゆかりがあるのでしょうか?
有馬記念と聞くととても重要なレースというイメージがあるのに、
宝塚も有馬も何故にわざわざ兵庫の地名?とふと疑問に思いました。
(兵庫出身なので嬉しいですが)